セミの寿命って長い?短い?一生との違いを分かりやすく解説!

生活の知恵
スポンサーリンク

 

子供の頃の夏の思い出。

庭先や公園で、セミを捕まえて遊んでいませんでしたか?

でも、虫カゴに入れて飼育しようと思ってもすぐ死んじゃうので、お父さんやお母さんにこう言われていたと思います。

「セミって可愛そうだね。夏の間の一週間しか生きられないんだって。」

そう言われて子供の頃は何の不思議もなく納得していました。

 

でもこの話、ちょっと違うかもしれません。

セミの寿命って短いと聞きますが、じつはその一生ってけっこう長いのです。

”どうゆうことなの?”って方

その理由をこれからお話していきますね。

 

 

スポンサーリンク

セミ寿命って長い?短い?

 

寿命とは、生まれてから死ぬまでの期間(時間)のことです。

人間で言えば、お母さんから生まれて赤ちゃんとしてこの世に姿を現した0歳から、亡くなるまでの期間を寿命と言いますよね。

 

では、セミの寿命を考えるときに、”生まれた”と言う”始まり”はどこからなんでしょう?

多くの人が知らないセミの一生」

そこからセミの寿命ってどれくらいなのか考えていきます。

 

セミの一生ってこうだった!

 

私達が目にするセミの姿は

この姿となったものをセミと呼んでいるのですが、じつはそれまで長い期間を地中で過ごしているのです。

セミの一生は、孵化(ふか)→地中での生活→羽化(うか)→地上での生活

その一部である地上での生活を私達は見ているだけなんです。

【1】孵化(ふか)
セミの卵は枯れ枝に産み付けられます。
その卵から孵化(ふか)して生まれた幼虫は、自分で地面まで下りて土の中にもぐります。

【2】地中での生活
地中に潜った幼虫は、少しの空間を作り木の根の汁を吸い生活をします。
脱皮を繰り返しながらだんだん大きくなっていくのですが、その期間は約2~6年と言われます。

【3】羽化(うか)
約2~6年かけて地中の生活で大きくなった幼虫は、
地面からはい出してきて木の幹や枝につかまり羽化(成虫になる)します。
モズからセミになる瞬間ですね。
モズは夜中に地中から姿を現し羽化(うか)をして、朝まで体や羽を乾かしてからセミとして飛び立ちます。

【4】地上での生活
私達が見かけるセミはここから。
セミは地上に出てからは繁殖活動をしていきます。
オスはメスを呼び寄せるために大きな声で鳴き続けるのです。
ですから鳴いているのはオスのセミでメスは鳴きません。

交尾に成功したオスはその後死んでしまうか次の交尾をしようと鳴き、
メスは数日後、木の枯れ枝に産卵しその後死んでしまいます。

いずれにしても、繁殖活動が成功しようとしまいと地上での生活は一ヶ月程度となります。

このセミの一生を見て、みなさんは寿命をどれくらいと考えます?

 

セミの寿命って短い?長い?

 

セミの寿命ってどれくらいだと思いました?

地中から出てきて羽化(うか)した後の、私達がイメージしているセミで考えれば寿命は約1ヶ月 です。

 

それでも、お父さんやお母さんから聞いた”一週間”よりぜんぜん長いですよね。

きっとこれは、捕まえて虫カゴに入れたことから、セミの寿命が縮まってしまったのだと思います。

狭い虫カゴに閉じ込められたことからセミもストレスで命が短くなってしまったのでしょう。

ストレス無く自然で生活していれば、セミは一ヶ月前後は生きています。

ですからセミの寿命が一週間って事はまず無いです。

 

では、セミの寿命は一ヶ月なのかといえばそれもどうでしょう?

 

セミが生んだ卵は孵化(ふか)してから自分で地面に潜り生活をします。

この時点でもう自力で生きようとしているのですから、人間で言う赤ちゃん以上の行動力です。

これで考えれば”孵化(ふか)してから”死ぬまでが寿命じゃないのって思いませんか?

 

そうするとセミの寿命って2~6年ってことになり、けっこう”長い”と言えますよね。

しかし、私達がイメージするセミとはこんなヤツです。

この姿であるのがセミ。

ですから、幼虫からセミとして死ぬまでの期間は「セミの寿命」とは言いません。

その場合は「セミの一生」として区別するのが良さそうです。

ですから、

セミの寿命は約1ヶ月、セミの一生は約2年~6年

と言うのが私の結論です。

姿かたちが変わらなければ一緒なのですが、セミの場合はこう考えるのが良いと思いません?

 

でも、セミって一年で生まれてくるものと思ってました。

地上に出るまでまさか数年間を地中で過ごしていたなんて・・・ けっこう驚きでした。

 

※セミは卵を何個生む?

数年間をセミの幼虫は地中で過ごすのですが、もともとセミってどれくらいの数の卵を産むのでしょう。

私達に身近な存在で、比較的生態が判明している”アブラゼミ”を例に取ってみます。

アブラゼミのメスは大体300~600個もの卵を産むそうです。

それは一度にでは無くて、木の幹や枝などの樹皮の裂け目に数回に分けて産卵をしていくのだとか。

その卵は次の年の梅雨時期に孵化(ふか)して幼虫となり土中に潜って生活をするのですが、そこまでたどり着くのはごく僅かと思われます。

※地中からいつ出てくる?どれくらいの時間でセミになる?

数年間、栄養を蓄えて大きくなった幼虫が動き出すのはこの時期。

セミの羽化は7月の上旬から始まります。

地中から出てくる時間は真夜中で、外敵がいないか慎重に確かめてから現れるのだとか。賢いですね。

幼虫は木を登って羽化を始めるのですが、羽化までの時間は3~4時間。

その後は次の朝まで体や羽を乾かし、私達の知っている”セミ”となり飛んでいきます。

 

 

セミの種類で寿命や一生は違う?

 

セミの寿命を約1ヶ月。その一生は約2年~6年とお伝えしてきましたが、種類別で見るとどうなのでしょう。

日本では約30種類、世界には約1,600種類はいると言われているので、全体ではかなり差はあると思います。

ですからここでは日本で一般的に知られているセミに関してお伝えしましょう。

 

羽化(うか)してセミとなってからの寿命は約1ヶ月と差はありません。

ですが、地中で生活している幼虫の期間には多少差が見られるようです。

 

ツクツクボウシは短くて約1~2年

アブラゼミやミンミンゼミは約2~6年

ニイニイゼミは約3〜6年

クマゼミは少し長めで約4~6年

 

これを見てみると、体長が大きいセミほど幼虫として地中にいる期間が長くなっているようようです。

それだけ栄養を蓄える必要があるってことなんでしょう。

 

他の昆虫と比べてセミの寿命は短い?

 

セミの寿命は短いと言われますが、他の昆虫ってどうなんでしょう?

皆さんにお馴染みの昆虫の寿命と比べてみましょう。

 

モンシロチョウの場合は約1ヶ月

トンボの場合は約3ヶ月

バッタの場合は約5ヶ月

カブトムシの場合は約1年

カマキリの場合は約1年

 

これで見てみると、昆虫の中でもセミの寿命が約1ヶ月と言うのは短いと言えますね。

カブトムシやカマキリって意外と生命力が強いのには驚きました。

 

まとめ

 

セミの寿命は短いって言われますが、本当は何年も生きているんです。

寿命で考えれば約一ヶ月と短く思えるのですが、セミにとっての一生って数年間。

その姿を私達が見かけるのは短いのですが、じつは何年もかけてスタンバイしていたんですね。

 

今まではセミの鳴き声ってどこか儚く感じたんですが、

この事実を知ってからは私の気持ちはちょっと変わりました。

セミの鳴き声って”やっと迎えた晴れの舞台を楽しんでいる”のだなと。

 

この記事を書いているのは4月。

新年度や新学期を迎えてやっと暖かくなってきた時期です。

でも、夏なんてあっという間ですね。

そのうちあちこちでセミの鳴き声が聞こえてくるでしょう。

そんな時が来たら思い出してください。

お父さん、お母さんは言っていたけれど、

セミの寿命、一生って短くは無いんだと。

この夏を一生懸命生き抜いて寿命を全うするのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました