「さ~さ~の~は さ~らさら~~~」
で始まる皆さんもご存知の七夕の歌。
この歌の題名は『たなばたさま』と言うのですが知っていました?
幼い頃から慣れ親しんできた童謡ですが、題名を知らなかった人も多いのでは・・・。
たぶん歌詞もうろ覚えで全部しっかり歌える人は少ないでしょう。
雛祭りは「うれしいひなまつり」
端午の節句は「こいのぼり」
そして七夕には「たなばたさま」
日本の大きな行事にはそれぞれ有名な歌があり、短い歌詞にもけっこう深い意味が込められているのです。
もし七夕の歌についてお子さんに色々聞かれたら・・・ あなたはどう答えます?
❏七夕に歌う「たなばたさま」歌詞の意味は?
❏七夕と呼ばれる理由って?
❏なぜ短冊に願い事を書いて笹の葉に吊るすの?
「たなばたさま」の歌詞の意味や、七夕の由来など色々教えてあげられると良いですね!
「たなばたさま」歌詞の意味
七夕の代表的な歌は「たなばたさま」
この歌で印象的なのは、出だしの”さ~さ~の~は さ~らさら~”のところです。
皆さんもそう思いませんでした?
笹の葉って古来からとても神聖かつ神秘的なものとされています。
その笹の葉がそよ風に吹かれて”サラッ サラッ”っとなびく姿。
この一節ですでに七夕の情景が全て感じ取れるようなインパクトがありますよね。
そしてそれに続く歌詞が七夕の意味を教えてくれるのですよ!
『たなばたさま』歌詞全文
作詞:権藤はなよ
補作詞:林柳波
作曲:下総皖一
1)
ささの葉 さらさら
のきば(軒端)に ゆれる
お星さま きらきら
きんぎんすなご(金銀砂子)
2)
ごしき(五色)の たんざく(短冊)
わたしが 書いた
お星さま きらきら
空から 見てる
「たなばたさま」は2番までありますが、七夕の情景とその由来までをこんな短い歌詞にまとめているのです。
どうまとめているのかはこれから見ていきますね。
お子さんに教える時の参考に慣ればと思います♪
「たなばたさま」1番の歌詞 解説
~ささの葉 さらさら~
笹の葉は生命力が強く、邪気を払う魔除けとして神聖なものとされていました。
その笹の葉がそよ風で”さらさら”と揺れている七夕の情緒が表されています。
~のきば(軒端)に ゆれる~
のきば(軒端)とは屋根の端や庇(ひさし)のこと。
雨などで願い事を書いた短冊が濡れないように、家庭ではのきば(軒端)に笹の葉を飾っていたのでしょう。
~お星さま きらきら~
この日の主役。天の川のきれいな輝きのことを指しています。
~きんぎんすなご(金銀砂子)~
金銀砂子とは金・銀を細かくして粉状にしたものですが、天の川が金銀を散りばめたように輝いていると形容した言葉です。
「たなばたさま」2番の歌詞 解説
~ごしき(五色)の たんざく(短冊)~
中国では七夕に青、赤、黄、白、黒の五色の紐を飾っているそうです。
これは中国にある五行説からですが、日本では短冊が使われるようになりました。
~わたしが 書いた~
短冊に自分の願い事を書きます。
江戸時代に寺子屋で学んでいた子供たちが”習字が上達”するように願い事を書いたのが始まりです。
~お星さま きらきら~
この日の主役。天の川のきれいな輝きのことを指しています。
~空から 見てる~
願い事を叶えてくれる神様はちゃんと見てくれているよ!
だから信じて頑張りなさい!
七夕の夜が想像できますよね。
家の軒端に笹の葉が飾ってあり、子供が”お願い”を書いた短冊が飾ってあります。
笹の葉と短冊を見上げるとその向こうにはキラキラ光る天の川。
夜空を見上げると子供たちは何か希望を感じるww
そんな歌に思えます。
そして歌詞には笹の葉や短冊、天の川を形容した金銀砂子など七夕の由来となる言葉が盛り込まれています。
これらの由来をお子さんにも説明してあげられると良いですね♪
七夕と呼ばれる理由って?
むか~しむかし。日本では機(はた)で織った布を祖先の霊や神に捧げる風習がありました。
そのためお盆(旧暦ではお盆は7月15日)の前には乙女たちが水辺の機(はた)屋に棚(たな)を作って機(はた)を織る行事が行われていたそうです。
その行事が中国伝来の”七夕伝説”と”乞巧奠”に結びついて現在の七夕(たなばた)になったのだとか。。。
『七夕伝説』
天帝の娘だった織女(おりひめ)と牽牛(けんぎゅう)の古代中国の物語。
ここから天の川ができたとされます。
『乞巧奠』
中国の女性達が機織りや裁縫の上達を願うためのお祭り。
※7月7日(の夕方)はもともとは七夕(しちせき)と呼ばれていました。
”たなばた”ではなく”しちせき”です。
それが時代とともに変化して、棚機(たなばた)にちなみ七夕(たなばた)という読み方に変わっていったらしいです。
なぜ短冊に願い事を書いて笹の葉に吊るすの?
❏なぜ短冊に願い事を書くの?
まず、なぜ短冊に願い事を書くのか?
それは中国伝来の”乞巧奠”からくるものです。
”乞巧奠”はもともと女性達が機織りや裁縫の上達を願うためのお祭りだったそうです。
日本に伝わったのは奈良時代の頃で、その頃には宮中行事として書道や芸事の上達も願うようになりました。
そして庶民にも広まったのは江戸時代で、
「習字が上達しますように!」
と、寺子屋で学んでいた子供たちが短冊に願い事を書くようになったのが始まりのようです。
それがだんだん変化して、いつの間にか”全ての願い事”を書くようになったのですね!
❏笹の葉に吊るす理由は?
七夕の起源は中国から伝わったものですが、願い事を短冊に書いて笹の葉にを吊るす習慣は江戸時代に生まれたと言います。
これは日本ならではの習慣だったんですね。
でもなぜ笹の葉に吊るしたのでしょう?
笹はとても生命力が強く邪気を払う魔除けとして使われていました。
古くから神聖なものとされ神事にも使われていたのです。
この笹の葉に願いを書いた短冊を吊るすことで自分の願いが神様に守られている気がしますよね。
七夕にはもともと神聖な笹をお供えする習慣がありました。
そして短冊に願い事を書くという風習ができました。
それがいつしか合わさり”大切な願い事は笹の葉に吊るして成就するうように!”
と言う習慣が庶民の間で広まっていったのだと思います。
まとめ
私が願い事をしたのは今年の初詣のとき。
”家族みんなが無事で幸せでありますように・・・”
毎年ただそれだけしか願いません。
でも、皆さん様々な願いや感謝の気持ちを打ち明けているはずです。
七夕、天の川、笹の葉、短冊、そして願い事。
とても神秘的なものですよね。
なんで七夕には短冊に願い事を書くの?
それは初詣と似たようなものではないでしょうか。
自分の願いを短冊に書くことで成就することを願い頑張る!
でも、思っているだけじゃなくて書くことで自分の意識も高められます。
七夕の短冊に願いを書くのはそんな効果もあるのでは?
「七夕の歌を子供に教えるとしたら?歌詞の意味を考えてみた!」
・・・でした。
七夕にはお子さんに”願い”を書かせるべきだと思います。
そして、七夕の夜に「たなばたさま」を歌って、その意味や七夕の由来を聞かせてやると
素敵です!!
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